うぐあ


この物語は

悪魔のような鬼ぷよ教師に
小学6年の子供たちが戦いを挑んだ

              一年間の記録

女王のぷよ教室

第一話


「愚か者や怠け者は、潰しと催促に苦しむ。
賢いものや努力をしたものは、色々な戦略で、
相手のフィールドを埋めることが出来る。
それが、ぷよぷよというものです。」


「授業以外で私に話しかけていいのは、
15連鎖以上できる人だけです。」


「ぜんぜんなってないわね、粘りが足りないし、
あなたのは稼ぎなんかじゃないわ、ただの一人プレイ。
まだゲームセンターにスコア出しに通っている人も
いるんだろうけど、あなた達みたいにセンスの無い人が、
2年か3年ちょこちょこっとやった所で、何の意味もないのよ。
単なる金の無駄遣い。 あんなものは、100万点を超えなければ
ただの自己満足なの。 」


「カードを持ってきなさい。
くだらない話をallでして
みんなのネット対戦を重くしたから、
マイナスポイントです。」


「愛することと、甘やかすことは違います。
階段積みしかできないぷよらーなんて、まだ未完成な
ぷよらーなのよ。 その未完成な人間を甘やかしたり
してどうするんですか! 不定形を知らないで育ったぷよらーは、
ゲーセンやネットぷよに行っても、向上心が無いし、
問題や事件を起こすぷよらーになるだけです。
だから私は、階段積みしかしなかったり、折り返しに挑戦を
しない生徒には罰を与えます。 ぷよぷよを辞める子が出てきても
構いません。他のぷよらーに悪影響を及ぼすぷよらーなら、
いない方がマシです。」


「イメージ出来る?
うろこさかなびとに3連鎖ダブルを受けた時に、
あなた達に出来ることなんか、
せいぜい目をつぶることぐらいじゃない。
でも目を閉じても、問題は消えて無くならないわよ。
目を開けた時に、フィールドの状態はもっと悪くなっているだけ。」


「 まったくあなた達は、何か気に食わない負け方をすると、 
ツモが悪かった、回線が重かった、アルル使うのは卑怯だの、
人のせいにして。いい加減目覚めなさい
そんなことばかりしていると、自分では何も考えられない、
思考停止人間になるだけよ。」


「普段は、フィールドで何しようが個人の自由だ
なんて言って、権利を主張するくせに、
いざとなったら、自由落下は悪だのなんだの言ったりする。
要するに、自分が負けたのが悔しいだけなのよ。
悔しかったら、自分の連鎖くらい、自分で責任持ちなさい。」


「アルルは16歳なんだよ!」


「いつだったかな、
私が恵里花ちゃんの宝物だった
カーバンクル人形の耳を引き裂いちゃったんだ。
恵里花ちゃん、すごく大事にしてたから、
いくら謝ってもずっと泣いてて。
私、すごい落ち込んでいたのに、
恵里花ちゃん、 次の朝、いつものようにおはようって
迎えに来てくれたんだ。
怒ってないのって聞いたら、ぷよまんおごってくれたら許してくれるって。
あの時、恵里花ちゃんにおはようって言われて、
本当に嬉しかったな。」


「ママ、ごめんなさい。
ずっと言えなかったんだけど、昔ぷよ通
のカセットなくして、リミックス買ってもらったこと
あったでしょう?
あれは嘘です。わざとすてました。
ていうか、ぷよ通買ったのにすぐリミックスがでるから、
むかついてたの。
ゲーセンのみんなと対戦したくないって思ったのも、
自分の連鎖に自信がないから。 友達の中では最強だったから
まだまだだって思い知らされるのが嫌だったの。弱虫なの、私。
連鎖のことだって、別にママに逆らいたい訳じゃないの。
どうして不定形連鎖を組まなければいけないのかわからないの。
人に言われたからしょうがなく不定形は組みたくないの。
いつか先生に言われたけど、自分の連鎖は自分で
責任持ちたいの。
だから、階段積みをします。ごめんなさい。」


「ねぇみんな。きっと、逃げちゃいけないんだよ。
潰しから。 潰しって、卑怯だって思うじゃん。
でも、私たちだって、潰しに対応する努力とかしてないん
じゃないかな。 そういえば真矢が言ってた。
潰しをされるのが嫌ならそれ以上の連鎖を組むしかないって。」